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【ジャンプ新連載】最後の西遊記が面白いと話題!

新春新連載第1弾『最後の西遊記』が面白い!!

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2019年3月4日発売の週刊少年ジャンプ14号から新連載となった『最後の西遊記』

連載1話54ページの大ボリュームでしたが、一気に読んでしまいましたね。

 

主人公・藤田龍之介、小学三年生の男の子のセリフというよりも、

心内が殆どの様な気がするんだけど、その境遇や気持ちの変化とか・・・

めちゃくちゃ引きこまれていった。

 

第2話以降の展開が、まるで読めないので、評価を結論付けるのは時期尚早な気もするけど・・・

個人的には、かなり胸を打たれました。

 

今回は『最後の西遊記』について、少し感想を書いていこうと思います。

 

体が不自由な少女・杜コハルとの出会い

 

主人公・藤田龍之介は、山の中にある寺の子供のようだ。

三年の春の始業式の日に、長い階段を上り帰宅すると・・・

寺の前に父親と、車イスの少女がいた。

 

その子は両手両足が義手で、目も見えない女の子だった。

名前は『杜コハル』・・・年は龍之介の一個下の小学2年生。

 

父親が言うには、知り合いの娘らしいのだが・・・

突然今日から龍之介の妹だと紹介された。

 

これだけでも驚くべき展開だが、問題はここからだった。

父は龍之介にコハルの面倒を付きっ切りでしろというのだ。

 

龍之介は、今は亡き母との野球観戦で、ホームランボールをゲットした時から野球に目覚め、これから少年野球チームに入団し、本格的に野球を始めようとしていた矢先だった。

 

それなのに、野球はおろか、学校にもいかせず、四六時中コハルの面倒を見ろという。

ヘルパーを雇うことも、養護施設に通わせることも却下された。

父は父で、家を空ける事も多いようで、まさに龍之介にすべてを押し付ける形になった。

 

当然反発する龍之介。

その恨みは、コハルに向けられた。

とはいえ、根は素直で優しい少年なのだろう。

 

特別いじめたり、そういったことはなかった。

トイレの世話・・・食事・・・

色々としてあげるも、コハルは一切言葉を発しなかった。

 

最初は無視されているようで気分も悪かったが、

父からコハルは『喋らない』のではなく『喋れない』のだそうだ。

 

コハルの両親が死んで以降、喋らなくなったそうだ。

幼くして母を亡くした龍之介には、コハルの気持ちも理解できたため、

特に責めるような事はなかったが、やはり無視されているかのような苛立ちもあり、

コハルに呼び鈴を渡し、それが鳴る時以外は、関わらないようにした。

 

龍之介は、バットを素振りすることで、嫌な事を払拭しようとした。

しかし、結局は頭から離れない、様々な可能性・・・

 

もし、父親がコハルを連れてこなかったら

もし、母親が生きていたら

もし、コハルの両親が死ななかったら

もし、もし自分が・・・スポーツ少年団に入っていたら・・・

 

そんな事が頭に過ぎる中、呼び鈴が鳴る。

 

振り返れば、軒先に置かれた呼び鈴を押すために、這って出てきたコハルの姿があった。

 

「もし・・・お前に手・・・」

 

『もしお前に手足があったら、トスバッティングくらいできたのにな』

そう言おうとした言葉を飲み込んだ。

 

龍之介自身解っていた。

コハルの体が不自由なのは、コハルのせいなんかじゃない。

でも、わかっていたからこそ、コハルとの日々は龍之介を苦しめた。

 

ただ一緒にいるだけで、自身はコハルを傷つけ、

コハルが申し訳なさそうにする度に、龍之介自身自分を嫌いにならずにはいられなかったからだ。


 


コハルの力

コハルと過ごす1日は長かった。

しかし、時は確実に流れ・・・季節は春から夏に変わった。

 

そんなある日、龍之介はコハルをほったらかしにして、昼から学校に行った。

その日は運よく終業式ということもあり、龍之介は久々にあった同級生と

一日中野球を楽しんだ。

 

コハルと過ごす一日とは違い、皆で過ごした一日は一瞬だった。

 

・・・・・

・・・

 

帰宅した龍之介は血の気が引いた。

コハルは熱中症になっていた。

幸いな事に、程度は軽く、その日の内に家に帰ってこれた。

 

龍之介は、父に頬を叩かれ、罰として蔵に閉じ込められた。

 

「・・・龍之介、お前が今日したことの意味、そこでじっくりと考えてみろ」

 

閉ざされた空間・・・

一筋の光さえ入らない、完全なる闇・・・

 

寝てしまおうかと思ったが、全く寝付くことはできなかった。

完全な闇に身を置くことで、視覚以外の感覚が研ぎ澄まされ、

些細な物音にも敏感になっていた。

 

さらに永遠の闇は、時間感覚を狂わせる。

一体、どのくらい経ったのか?

今何時なのか?

 

次第に恐怖に支配される龍之介・・・

目を開けているのか閉じているのか

起きているのか寝ているのか・・・それすらも解らなくなりはじめ、

龍之介は蔵の壁を触ることで、そこがまだ蔵の中だと認識するのが精一杯だった。

 

恐怖は時間が経つほどに膨れ上がり、龍之介は一つの疑念をもってしまう。

 

『何かがいるかもしれない』

 

完全なる闇の中で、それを否定する事はできない。

光があれば、”いない事”を確認する事はできるが、現状ではそれができない。

 

一度頭を過ぎったそれは、中々払拭できるものではない。

かすかな物音、気配・・・何かいる・・・のか?

 

頭ではいないと思っていても、極限状態の中では確かに感じてしまう・・・

 

龍之介がコハルの日常について悟ったのは言うまでもない。

自分はいつかこの闇から解放されるかもしれない。

しかし、コハルにとっては、これはずっと続く・・・逃げる事の出来ない永遠の闇。

 

これほどの恐怖の中、コハルはこの三ヶ月・・・一度として助けすらよばなかった。

 

「出してくれぇえええええええええ!!」

 

龍之介は恐怖に耐えられず、声を張り上げ、壁を叩いた。

そんな時だった・・・

 

ガゴン・・・

 

蔵の閂が抜け落ちる音・・・

振り返ると、僅かに光が差し込んでいる。

扉が開いた・・・!

 

龍之介はすぐに光に向かって駆け出した。

そして、扉の外を見て驚愕する。

 

そこには、車イスから転げ落ちたコハルの姿があった。

頭からは血を流している・・・。

 

どうやら閂を頭突きで抜いたようだ。

 

「何で・・・だって俺・・・今までお前を・・・」

「おにいちゃん、ゴメンナサイ・・・」

 

コハルは大粒の涙を流して龍之介に謝罪した。

龍之介は、この時の事を絶対に忘れないと誓う。

 

「・・・う、グ・・・あ・・・」

「うあ・・・」

 

「グ・・・ごめんな・・・ごめんな・・・!

 痛かったよな・・・しんどかったよな・・・怖かったよな・・・!!

 ごめんなコハル、ごめんな・・・!」

 

号泣し、コハルを抱きしめる龍之介。

 

はじめて聞いたコハルの声を

言わせてしまった言葉を

暗闇で独りぼっちの怖さを

 

そして、コハルがくれた、目がくらむ程の月明かりを・・・決して忘れることはない。

 

・・・・・

・・・

 

 

龍之介は父親がコハルを押し付けた理不尽を許せないにしても、

コハルを嫌いでいたくないという。

 

「その為に決めたんだ。

 俺はもう、お前を理由にして苦しんだりしないって。

 だから、これから言う事は全部、お前の為じゃなく、自分の為に決めた事なんだ。

 

 覚えとけコハル・・・俺はもう絶対・・・お前を独りなんかしない。

 ・・・これからは俺がお前の『光』になってやる」

 

二つ並べた布団の中、龍之介はコハルの左手を掴んで、そう誓った。

 

「お前が助けを呼べなくたって、苦しい時は・・・

 必ず俺が護ってやる・・・!!

 だから、お前ももう俺の為に傷ついたり・・・遠慮したり、

 悪くもねえのにあやまったりすんな!」

 

その時、動かないはずのコハルの手が、握り返したように龍之介は感じた。

 

・・・・・

・・・

 

真夜中の三時・・・

龍之介が目を覚ますと、布団にコハルの姿はなかった。

 

一人で便所・・・なわけもなく・・・

すると、隣の和室からコハルらしき声が聞こえる。

 

聞き違い・・・?

耳を澄ませてもう一度よく聞いてみる。

 

間違いなくコハルの声だ。

会話のようだが・・・一体誰と?

 

父親?しかし、コハルの声しか聞こえないのはどういうことだ?

緊張感と共に、龍之介の脳裏に”蔵の化物”が過ぎる。

 

実際には存在しなかった。

それは蔵を出る時に確認している。

 

頭では理解しようとしても、恐怖心とは、中々拭いきれるものではない。

龍之介はバットを片手に、ふすまに手をかける。

 

自身の鼓動が、とてつもなく大きく聞こえる気がする。

開けるぞ・・・!!

 

さっき誓った言葉に嘘なんかないはずだ・・・!

 

龍之介は意を決して思い切りふすまを開けた。

すると、目を疑うような光景が広がっていた。

 

暗がりの部屋の中、コハルが膝を抱えたまま、宙に浮いているのだ。

しかも、途轍もない輝きを放ちながら・・・!

 

龍之介は夢と思い、目をこする・・・

しかし、再び注目しても現実としてコハルは目の前で浮いている。

 

龍之介はバットを置き、浮いたコハクの下に両腕を差し出した。

その瞬間!!

 

コハルを纏っていた輝きは消え、重力にしたがってコハルが落ちてきた。

小2の女の子とはいえ、小3の腕力には、とてつもなく重い・・・!!

両手がプルプルしながら、この重みは紛れもなく現実だと悟る龍之介。

 

「・・・・う・・・・」

「!」

 

「うしろ」

 

コハルの言葉に後ろを振り返った龍之介。

瞬間的に頬に走る痛み。

 

「!」

 

龍之介の眼前には”それ”がいた。

龍之介の頭の中は『なんで』で埋め尽くされる。

 

”それ”は、龍之介が蔵の中でイメージした、恐怖そのものだった。

闇に潜む化物・・・いるはずのない想像の産物。

それがいま、目の前にいる。

 

・・・ああ、そうか・・・

これは・・・夢・・・

 

しかし、頬に触れた掌が、真っ赤な血に染まっているのを見て、

すぐに夢ではないと悟った。

 

頬に走る痛みも、流れ出る血も、あまりにもリアル・・・!!

 

「う・・・嘘・・・嘘だ・・・」

 

非現実的な現実を受け止めきれず、嘘だと自分に言い聞かせるも、

無情にも、その存在は消えてくれない。

 

母の言葉『どっこい嘘じゃありません!!』が、ここぞとばかり脳裏に浮かぶ。

 

『覚えときな龍之介!!

 嘘みたいな事だって、出来ると知ってれば・・・

 全部龍之介にだって出来るんだよ!!』

 

今は亡き母の言葉・・・!!

 

必ず護ると約束したコハルのためにも、勇気を振り絞る!!

 

「・・・知ってるよ母ちゃん!」

 

人はホームランだって・・・!

打てるんだ!!

 

化物の放った一撃目掛け、バットを振る龍之介!!

見事ジャストミートし、化物の鎌を止めた・・・!

しかし、所詮子供の力・・・それ以上をどうすることもできない!!

 

ズドッ!!

 

「!?」

 

突然、化物を何かが貫いた。

龍之介の背後・・・ふすまの隙間から何か棒状のモノが勢いよく飛び出してきて、

化物の上半身を見事に吹き飛ばした。

 

「と・・・父ちゃん!?」

 

なるほど・・・今の武器、まさに如意棒だな。

伸縮自在の武器・・・!!

 

・・・・・

・・・

 

事が片付き、コハルを布団に寝かしつけ、

父は龍之介に語り出した。

 

本当であれば、龍之介の準備が出来た後に伝えるべきことだったようだが、

こうなってしまっては、全てを打ち明けるしかないということで・・・

父はコハルを家に連れてきた本当の理由と、コハルの持つ力について語り出した。

 

「・・・コハルは俺たちとは違う、『人類』というよりむしろ・・・

 神に近い生き物だ

 

神とは真理・・・真実。

その体現者。

 

「そして人が失った真実の一つ・・・

 『目に見えぬモノは確かに存在する』

 その真実を知らせる能力がコハルにはある」

 

龍之介が恐怖からイメージして作り出した化物・・・

先ほど襲ってきた化物と同じ姿だったのにもコハルの能力に起因するところのようだ。

 

コハルは龍之介が感じた『目に見えない恐怖』が見えていたようだ。

そして、その位置をコハルが言葉で示すことにより、龍之介は、それが『存在する』という真実を知ってしまった。

 

コハルの能力・・・

他人の妖怪(恐怖)を実体化させる力・・・!!

 

見えない存在を示す言葉、その言葉で『存在』を認識すれば、実体化するのか。

でもコハルの世界では、そこに人がいる限り、その人の恐怖が見えているのだろう。

それってとてつもなく怖い世界だな・・・

 

恐怖に対する、その人物がイメージする形は千差万別だろうけど、

漫画である以上、その姿は妖怪になってるってことかねぇ。

 

コハルが悪意をもって、力を使えば・・・

世界は妖怪で溢れかえり人の時代は終わりを告げる。

 

今回は寝言によって引き起こされた事故のようなものだし、

コハルの性格上、悪意をもって力を使うことは考え難い。

 

だが、それもいつまで続くかは解らない。

成長と共に、人間の浅ましさ、醜さにふれ、コハルが人類に絶望した時・・・

悪意をもって、その力を使う可能性はおおいに考えられる。

 

「故にコハルの力から世界を護るには、コハルに人間を好きになってもらうしかない。

 ・・・つまり、愛だ。

 お前を愛させる為に、俺はコハルを連れてきた」

 

むむむむ・・・

コハルちゃんを正しく導くために、愛を知ってもらう・・・か。

今後、どういう展開になっていくのか、とても気になるな。

 

感想

かなり面白い内容だと思うし、絵も少年誌向けでとてもいい。

今後の内容如何では、ヒット作の可能性も十分あると思います。

期待したいですね!